pointスポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--(--)--:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

point「原子力で地球を救えるか?~CO2と温暖化問題~」京都大学原子炉実験所 小出裕章氏講演会。Part3.

Part1.Part2.の続きです。

- - - - - - - - - -

Ⅳ.何よりも必要なことはエネルギー消費を抑えること

エネルギー消費の格差

 ただし、地球の生命環境を破壊している罪は人類に等しくあるのではありません。世界でエネルギーがどのように分配され使用されているかを図14 に示します。一人当たりの消費量で言えば、最もエネルギーを消費している国と最もエネルギーを利用できない国とでは1000 倍の格差があります。また、私たち日本人一人ひとりも世界平均の約2倍、アジア諸国に比べれば10 倍から100 倍のエネルギーを使っています。

ywca14.jpg

 また世界人口を四つにわけ、エネルギーをたくさん使う順番に「工業文明国(いわゆる先進国)」、「工業文明追従国(いわゆる発展途上国)」、「第三世界の半分」、「極貧の第三世界」としましょう。それぞれのグループには、いずれも約16 億人の人間が含まれます。そして、それぞれのグループが世界全体で使うエネルギーのどれだけの割合を使っているかを考えてみます。まず、「工業文明国」の人間が、エネルギー使用量全体の68%を使ってしまいます。次に「工業文明追随国」が17%を使い、世界人口の半数を占める第三世界の人々には、全体のわずか15%しか残されません。第三世界の中でも奪い合いがあり、強い方のグループが全体の10%を使い、最もエネルギーを使えない「極貧の第三世界」はわずか5%しか使えません。

世界の国々の平均寿命

 図1は日本という一つの地域について、時間的なエネルギー使用量の変化を尺度として寿命がいかに変わるかを示しました。同じことは、今日というある時刻の中での、世界各国のエネルギー使用量の違いを尺度にしても言えます。図15 に世界各国のエネルギー消費量と寿命との関係を示します。上部に横に長く分布している「エネルギー浪費国家群」では、現在の日本がそうであるように、エネルギー使用量をいくら増やしても寿命を延ばすことはもはやできません。逆に、図の左の軸周辺に「エネルギー窮乏国家群」として示した国々の中では、使用できるエネルギー量が絶対的に欠乏しているため、生命自身を維持できない国があります。そうした国の中には平均寿命がいまだに30~40 歳代の国があります。もし、そうした国で、エネルギー消費を少しでも増やすことができれば寿命は飛躍的に長くなりますが、残念ながら世界の政治の状況はそれを許しません。

ywca15.jpg

環境破壊の責任はごく一部の「先進国」にある

 種としての人類が地球環境を破壊してきて、今またそれを加速していることは確実です。しかし、人類の内部を見れば、一方には生きることに関係ないエネルギーを厖大に浪費する国がある一方、生きるために必要最低限のエネルギーすら使えない人々も存在しています。今この地球上には、11 億もの人々が「絶対的貧困(1日1ドル以下で生活し、食べるものがない、きれいな飲み水がないなど、生きていくのに最低限度必要なものさえ手に入れることのできない状態)」に喘ぎ、5 億の人々が飢餓に直面しています。「先進国」に住む私たちが贅沢な暮らしをすれば地球環境はますます悪化しますが、悪化に対処することができない貧しい国々の人々はますます苦況に追いやられます。

危機的な日本の環境

 日本においては1880 年代以降、50 年で10 倍になるような率でエネルギー消費の拡大を続けてきて、現在、日本への日射量の総量に比べて約0.6%のエネルギーを人為的に消費しています(図16 参照)。

ywca16.jpg

太陽から地球に届くエネルギーのうち、3 割は地球の大気表面で直接反射されてしまいますし、一部は雲で反射され、地表に達するのはまた一部になります。また、地球に達する太陽エネルギーのうちわずか0.2%のエネルギーで、風、波、空気の対流など、私たちが自然現象と呼んでいる現象が起きています。日本への日射量と比較するとそれはほぼ0.66%になります。つまり、今現在、私たちは日本で自然現象起こしているエネルギーとほぼ等しいエネルギーを人為的に使っていることになります。もし、このままエネルギー消費の拡大を続けるならば、数年後には日射量の1%、2050 年には10%、2100 年には太陽が日本に与えてくれているエネルギーと等しいだけのエネルギーを人為的に消費することになってしまいます。そうした時代がどんな時代になるか人類には経験がありません。またそれを予測できるような学問もありません。しかし、かりにその時代の日本においてまだ人が生きられたとしても、従来と同じスピードでエネルギーの浪費を続けるかぎり2150 年には日射量の10 倍、2200 年には100 倍のエネルギーを使うことになってしまいます。そのような未来に人類が生き延びられないことは当然です。エネルギーの浪費に慣れてしまった日本人にとって、エネルギー消費を抑えることは容易なことでありません。そのため、多くの日本人は消費を抑えることなど出来ない、もっと便利に暮らしたいと言います。しかし、できなければ、自らの生きる環境を失うだけです。

 現在騒がれている地球温暖化問題は、地球全体で進行する危機を扱っています。しかし、危機は地球全体だけでなく、個別地域的に起こってきました。日本で起きた数々の公害もそうでしたし、ヨーロッパの酸性雨もまた地域的に多大な被害を生じました。核実験による放射能汚染にしても、もちろん全地球的な汚染もありましたが、実験場周辺での被害が深刻でした、同じことはチェルノブイリ原子力発電所の事故でもいえます。温暖化ということであれば、都市のヒートアイランド化も問題でしょう。
 
 地球温暖化問題が現在の最重要課題だと言っている人たちは、自分が関わっている課題だけしか見えなくなって、広い視野を忘れています。それは、「温暖化予測業界の論理でしか考えられなくなった」と彼ら自身が自戒を込めて書いている通りです。

少欲知足

 いったい、私たちはどれほどのものに囲まれて生きれば幸せといえるのでしょう?人工衛星から夜の地球を見ると、日本は不夜城のごとく煌々と夜の闇に浮かび上がります。建物に入ろうとすれば、自動ドアが開き、人々は階段ではなくエスカレーターやエレベータに群がります。夏だというのに冷房をきかせて、長袖のスーツで働きます。そして、電気をふんだんに投入して作られる野菜や果物は、季節感のなくなった食卓を彩ります。

 地球温暖化、もっと正確に言えば気候変動の原因は、日本政府や原子力推進派が宣伝しているように、単に二酸化炭素の増加にあるのではありません。産業革命以降、特に第二次世界戦争以降の急速なエネルギー消費の拡大の過程で二酸化炭素が大量に放出されたことは事実ですし、それが気候変動の一部の原因になっていることも本当でしょう。しかし、生命環境破壊の真因は、「先進国」と呼ばれる一部の人類が産業革命以降、エネルギーの膨大な浪費を始めたこと、そのこと自体にあります。そのため、多数の生物種がすでに絶滅させられたし、今も絶滅されようとしています。地球の環境が大切であるというのであれば、二酸化炭素の放出を減らすなどという生易しいことではすみません。すでに述べたように、人類の諸活動が引き起こした災害には大気汚染海洋汚染森林破壊酸性雨砂漠化産業廃棄物生活廃棄物環境ホルモン放射能汚染、さらには貧困戦争などがあります。そのどれをとっても巨大な脅威です。温暖化が仮に脅威だとしても、無数にある脅威の一つに過ぎませんし、その原因の一つに二酸化炭素があるかもしれないというに過ぎません。日本を含め「先進国」と自称している国々に求められていることは、何よりもエネルギー浪費社会を改めることです。あらゆる意味で原子力は最悪の選択ですし、代替エネルギーを探すなどと言う生ぬるいことを考える前に、まずはエネルギー消費の抑制こそに目を向けなければいけません。

 残念ではありますが、人間とは愚かにも欲深い生き物のようです。種としての人類が生き延びることに価値があるかどうか、私には分りません。しかし、もし地球の生命環境を私たちの子供や孫たちに引き渡したいのであれば、その道はただ一つ「知足」しかありません。一度手に入れてしまった贅沢な生活を棄てるには苦痛が伴う場合もあるでしょう。当然、浪費社会を変えるには長い時間がかかります。しかし、世界全体が持続的に平和に暮らす道がそれしかないとすれば、私たちが人類としての叡智を手に入れる以外にありません。私たちが日常的に使っているエネルギーが本当に必要なものなのかどうか真剣に考え、一刻でも早くエネルギー浪費型の社会を改める作業に取り掛からなければなりません。


CD「つながる生命」から「若狭の海」
作詞、作曲、唄 姫野洋三

若狭の海に雪が舞う
あやしげな光につつまれ
行き交う船に 力もなく
重くのしかかる 原発銀座


夜をあんなに明るくしといて
夏をあんなに寒くしといて
まだまだ 足りないなんて


足で扉を開けて
足を使わず 階段昇る
電気でお湯を沸かして
電気で野菜をつくる

(*繰り返し)

味も香りもない放射能
毎日せっせと作り続けて
孫の孫の孫の代まで
汚れた世界だけを残すという

(*繰り返し)

若狭の海に立てば
暗闇の静けさの中
生命の叫びを聞く
生命の叫びを聞く

夜をこんなに明るくしといて
夏をこんなに寒くしといて
まだまだ 足りないなんて

(歌を聴きたい方はこちら→http://www.geocities.co.jp/NatureLand/1429/wakasa-no-umi.htmlで聴けます。)

2010/07/18(日)21:50 | 生きる権利 | トラックバック(0) | コメント(2)

前ページ | | 次ページ

pointみなみ虫 []

>ゆきティ♪さん
リンク、ありがとうございます。
この記事、わたしも読みました。
原発、ほんとにろくでもないです。
もっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。

2010/08/27(金) 00:14:56 | URL | [ 編集]

pointゆきティ♪ [とんでもない事を知りました]

みなみ虫さん、そして、このブログをご覧の皆様へ。
とんでもない事実です。是非ご覧下さい。

2010/08/26(木) 20:39:39 | URL | [ 編集]

pointコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

pointトラックバック

トラックバックURL
http://muimui373.blog76.fc2.com/tb.php/909-978c11e8
前ページ | | 次ページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。