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point「原子力で地球を救えるか?~CO2と温暖化問題~」京都大学原子炉実験所 小出裕章氏講演会。Part1.

7月3日(土)に大阪YWCAにて行われた、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの講演会を聴きに行きました。一人でも多くの人に知って欲しい、ほんとうのことがたくさん聴けました。自分の感想と共に簡潔にまとめるのがブログとしては良いのかも知れないけど、いただいたレジュメを読んでいたら、カット出来るところなんかないよなぁと思い、とてもありがたい事にレジュメ転載の許可をいただけたので(断じて、手抜きではない!(笑))、今回は導入部分ですが、あんまり長いと最後まで読んでもらえるかわからないので(笑)、今回から3回に分けてアップします。ゆっくりじっくりお読みください。それでは、どうぞ。(図はクリックすると大きくなるものもあります。図と文のレイアウトは、元のレジュメから都合上変更してあります。文中太字は原文のままです。)

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2010年7月3日 大阪YWCA講演会
原子力で地球を救えるか?~CO2と温暖化問題~
京都大学原子炉実験所 小出 裕章さん

Ⅰ.エネルギー消費の歴史と現代

エネルギーと寿命

 人類を他の生物と区別して人類らしくしたものは火や道具の使用でした。そして、エネルギーの消費は人類の寿命にも密接に関係しています。図1に過去の日本のエネルギー消費量と寿命との関連を示します。現在、日本は世界一の長寿命国になっていますが、100年前は、日本人の平均寿命は40歳代でした。当時はまだ日本では電気すらろくに使えない時代でしたし、一人ひとりのエネルギー消費量も現在の私たちに比べれば10分の1ほどしかありませんでした。

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 ただ、図1を細かく見れば、幾つか大切なことに気づきます。第一に、利用できるエネルギー量が絶対的に少ないと人は長生きできないと言うことです。第二は、絶対的に不足していたエネルギー消費量をわずかに増加させることができれば、寿命が飛躍的に延びるということ、そして第三に、ある程度以上のエネルギー消費は寿命の延長に役に立たないということです。1960年代の高度成長期やバブル期を含めた1990年前後には、エネルギー消費は急激に伸びましたが、その期間における寿命の延びはほんのわずかでしかありません。今の日本では、生きることではなく、贅沢をするためにエネルギーが使われています。


地球の歴史と人類の歴史

 地球は46 億年前に誕生したといわれます。誕生当初の地球は生命が根付くには過酷過ぎ、生命が誕生するまでには数億年の時の流れが必要でした。40 億年前に生まれた生命は、おそらくは今の常識から言えば、生命と呼ぶにはあまりにも原始的なものだったでしょう。その後、様々な生物種が生まれ、そして滅びました。人類と呼べるような生物種がこの地球上に誕生したのは、400 万年前とも600 万年前とも言われますが、地球や生命の歴史に比べれば、人類の歴史などいずれにしても1000 分の1 の長さでしかありません。もし、地球の歴史を1 年として1月1日から時をたどれば、人類が発生したのは春も夏も秋も過ぎ、冬が来て、大晦日の午後になってからに過ぎません。
 その人類は現在地球上で栄華を極めていますが、人類が今日のようにエネルギーを膨大に使い始めるようになったのは18 世紀末の産業革命からで、それ以降わずか200 年しか経っていません。それを地球の歴史を1 年と考える尺度に当てはめれば、大晦日の夜11 時59 分59 秒にしかならず、残り1 秒のことです。その200 年の歴史で人類が使ったエネルギーは人類が数百万年で使った全エネルギーの6 割を超えます。

人類の贅沢の陰で絶滅する生物

 そのため、地球の生命環境は危機に瀕しています。命あるものいずれ死ぬのは避けられません。個体にしてもそうですし、種としての生物もそうです。地球上には、これまでにもたくさんの生物種が生まれては滅んできました。数千万年前までこの地球を支配していたといわれる恐竜たちも、忽然と姿を消しました。その原因は、宇宙からの巨大隕石の落下だという説もあれば、肉体が巨大化しすぎて生命を維持できなくなったとの説もあります。しかし、恐竜たちからみれば、いずれにしても万やむをえない理由で絶滅に追い込まれたのでしょう。人類も一つの生物種として、いずれは絶滅します。ところが、図2に示すように、人類は自らの栄華のために地球上に住む多くの生物種を絶滅に追い込んできました。結局、人類は、他の生物種を含めた地球の生命環境を破壊し、その挙句に自らも絶滅することになります。人類は自らを万物の霊長と呼んでいますが、むしろ愚かな生き物というべきでしょう。

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Ⅱ. 地球温暖化と原子力

地球温暖化の原因は多様

 大気中の二酸化炭素濃度が増加していることは科学的に確実です(図3参照)。

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地球全体が温暖化しているかどうかについてはたくさんの議論がありますが、私自身は、この200 年を考える限りたぶん温暖化してきていると思います(図4参照)。

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 そして、温暖化がこのまま進むと人類にとっての世界、そして一部の動植物にとって破滅的な現象となる可能性があるように見えます。そのため、現在は多くの人々が二酸化炭素の放出を減らすことが何よりも大切な課題であると思いこまされています。しかし、地球の温暖化と大気中二酸化炭素濃度の増加という2 つの事実に関連があるのかないのか、もしあるとすればどちらが原因でどちらが結果かは科学的に示さなければいけません。
 人類による化石燃料の消費が急速に進み、二酸化炭素放出が激増したのは第二次世界戦争後、つまり1946 年以降のことです(図5参照)。

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一方、現在観測されている地球の温暖化現象はすでに19 世紀の初頭から始まっています(図6)。

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 つまり人類による二酸化炭素放出とは無関係に、地球の自然現象として温暖化は起きてきたのです。そのため、二酸化炭素を悪者視するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)すら20 世紀後半の温暖化に限って二酸化炭素が主因だと主張しているにすぎません。たしかに、20 世紀後半の温暖化の原因に人類による諸活動がある可能性は高いでしょう。しかし、人類の諸活動には二酸化炭素放出だけがあるのではなく、原因を二酸化炭素だけに押し付けることがまず間違っています。
 その上、二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化の原因だとする主張とは、逆の結果を示しているデータもあります(図7)。

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 この図は、よく議論されているように、二酸化炭素の長期的上昇傾向を差し引いた上でのもので、二酸化炭素濃度の上昇自体は前提にされています。しかし、それでもなお気温が上がった後に二酸化炭素濃度が増え、気温が下がると二酸化炭素濃度が減る、つまり、気温が上下することで二酸化炭素が上下していることを示しています。どうしてそうなるかも説明できます。すなわち、先に書きましたとおり、地球上の二酸化炭素はそのほとんどが海水中に溶け込んで存在していています。気温が上がることで、海水の温度が上がり、海水に溶け込んでいた二酸化炭素が大気中に出てくることは当然です。このように、地球の大気温度の変化、二酸化炭素濃度の変化は、お互いに影響し合う関係にあるし、その要因も複雑です。
 自然は大変複雑な系です。その地球の温度も地球誕生以降大きな変動を繰り返してきました。人類などまだ誕生する以前には現在よりさらに高温だった中生代があり、恐竜たちが生きていました。新生代に入っても、大きな氷河期を4回も経験し、現在は4番目の氷河期が終わった温暖期にあります。現在問題にされている最近150 年間の温度増加など高々0.8 度程度でしかありませんが、それぞれの氷河期とそれが終わった温暖期の気温には約10 度もの違いがありました(図8参照)。

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 それでも、北極の白熊を含め、こんなことで絶滅はしませんでした。現在、北極の白熊などが絶滅の危機に瀕しているのは温暖化のためではなく、人類が地球上にはびこりすぎ、他の生物の生命環境を侵食してきたからです。
 地球の温度に影響する原因のうち、人為的でない自然の要因には、地球の歳差運動が関係するミランコビッチサイクル、太陽活動による変動サイクルエル・ニーニョラ・ニーニャなど地球自体の要因、さらには火山の爆発などがあり、大気中の二酸化炭素濃度も気温も長い周期、短い周期、あるいは大幅小幅にと多様な変化をしてきました。観測している地球の平均気温も大気中の二酸化炭素の濃度もそれらすべてが関係しながら変動しています。人為的な要因が地球を温暖化させている可能性は高いと私は思いますし、「予防原則」を適用して、その温暖化を防止しようということも必要かもしれません。しかし、すでに述べたように、それは科学の議論ではなく政治的、政策的な議論の範疇に入ることです。

歪められた主張

 その上、人類が引き起こした災害には、大気汚染、海洋汚染、森林破壊、酸性雨、放射能汚染、さらには貧困、戦争などがあり、温暖化はそのうちの一つに過ぎません。そしてその温暖化の原因の一つの要因に二酸化炭素があるというに過ぎません。地球温暖化問題は、現時点では、科学的な根拠が薄弱なまま、政治的に引き回されています。
 一番ひどい主張は、二酸化炭素の放出を減らすためには、化石燃料への依存をやめ、二酸化炭素を出さない原子力に切り替えなければいけないという宣伝です。今日の報告はそれが如何にでたらめかを述べるものですが、現在の二酸化炭素悪者説には、それだけでないたくさんの嘘があります。まず、地球温暖化の原因は多様であり、二酸化炭素だけが原因ではありません。そして本当に大切なことは、生命環境を守るためにはエネルギー浪費を減らすことこそ必要なのに、それがむしろ見えなくされてしまっています。

---今回はここまで。Part2に続きます。

2010/07/12(月)23:52 | 生きる権利 | トラックバック(0) | コメント(0)

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