
演奏:ロータス・カルテット
プログラム:
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 op.18-3
ウェーベルン/弦楽四重奏曲(1905)
ウェーベルン/弦楽四重奏のための6つのバガテル 0p.9
(休憩)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番 イ短調op.132
---
全曲演奏会、後半戦スタートを切るのは、ドイツで活躍する日本人女性3人+2ndヴァイオリンにドイツ人男性のカルテットです。
なんと第3番第1楽章の途中で1stヴァイオリンの弦が切れて一時中断するというハプニングが。弦の張り直しを待ってる間に、後ろの席にいる、開演までの間もくっだらん話ばかり延々しゃべくりまくってたおっさんが、「弦何本あるんか知らんけど、1本切れたぐらいやったら他の弦で演奏すればエエのに。」とか言ってるのが聞こえて恥ずかしかった。オイオイ、いくらなんでもそりゃムリだよ。
ちょっとそのハプニングのせいで緊張感が途切れたような感じになっちゃったけど、演奏は、たおやかなと言うか、端正なと言うか、女性が多いからって偏見かも知れないけどそんな感じに聞こえた。(それにしても、演奏とは全く関係ないし大きなお世話だけど(笑)1stヴァイオリンとチェロの人のあのドレスはないよなぁ...。しかもお揃いとは...。う〜ん。)
さてさて気を取り直して第3番、わたしはなんと言っても第4楽章。ユーモラスで楽しくて、思わず口元から笑みがこぼれちゃうのが抑えられない。ベートーヴェンったらなんでこんなに楽しそうなんだろ。コーダの盛り上がりのとこなんか最高です。他にもいろいろあるけれど、こんな愛すべき曲を書くひとを、なんで愛さずにいられましょうか。な〜んてことを思いながら、ロータス・カルテットの生き生きとした演奏を聴いてました(笑)。
ウェーベルンの曲は、う〜ん...、わたしにはまたまたさっぱりわかりませんでした。「6つのバガテル」なんて、各楽章がめちゃくちゃ短い。緊張感しかない。聴いてるうちに、一体何が言いたいのだろうとか思ってだんだん腹が立ってきた(笑)。ハイ、若輩者ですいませんすいません。
そんでもってドキドキの15番です。これは、わたしに弦楽四重奏曲の魅力を教えてくれた曲。特に第3楽章の「病癒えた者の神への聖なる感謝の歌」は、最初に聴いてやられてしまったAlexander String Quartetの演奏と、その後に聴いたAlban Berg Quartetの演奏との印象があまりにも違ったので、ロータス・カルテットはどんな感じにやってくれるのか興味津々でした。結果は、音の輪郭をはっきりさせながらもゆったりと心がこもっていて、素晴らしい演奏でした。やっぱり、祈りの歌なんだからこれくらいのテンポでじんわりさせてもらわないと...(Alban Bergのはなんだか急ぎすぎてて、わたし的には全然ダメなんでした)。休憩時間に飲んだワインのせいもあってか(笑)、聴きながら何度もうるうるが来てしまった。ベートーヴェンが、死ぬかと思うくらいの病に伏せった後に書いた曲。「新しい力を感じて」と題された部分の、言葉じゃなくて、音楽でしか表わせないような、うれしさ。はぁ...なんて美しい曲なんだろ。大好きです。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲って、独り言のようでもあり、4人の会話のようでもあり、かと思えば2人の掛け合いのようでもあり、その時々によってくるくる変わっていく妙が本当に楽しくて、深くて、それが何度聴いても飽きない要因のひとつなんだろうなぁ。そんなことを、第2楽章のスケルツォを聴きながら思ったりしました。やっぱり、生演奏を聴くと普段CDで聴いてるのとはまた違った発見があって楽しいな。あ〜幸せ(笑)。